2020/03/11

A NEW HOPE




現在Garage.U.Wの製品は直接工場に出向き製作しています。
生産は全て1か所で賄えるわけではなくアイテムごとに得意とする工場も違います。
服を作るには普通は仕様書でやり取りしたり、OEM企業に業務を委託することがほとんどですが、なんといっても毎回環境の違う現場から学ぶ事も多い事と、ニュアンス的な意匠の実現。また中間業者を挟まぬ分、良い製品をよりお手頃にお届けできる事に繋がるのでそうさせて頂いております。店頭での動向や反響も工場に伝えています。



その中でもGarage.U.Wが最もお世話になっているA工場はパターン製作も得意とする設備がある頼れる存在です。縫製も併せて高度な仕様を形にする事に意欲的な方針であり、様々な拘ったブランドさんからの信頼も厚い現場です。当然人気で最近は繁忙度合いも高まり容易には企画をスタートし難くなっているため、A 工場で製作したアイテム同士のマッチングに特化したパターン(服の設計図)を持ち出して、昨年からアイテムごとにより専門的な他の生産現場へ拡大を試みております。



特に高感度なメンズカジュアルシャツというアイテムは国内生産するうえで難しい立ち位置にあり、例えばシャツ専門の背景は概ねドレスシャツであり輸入生地も着分で調達するようなテーラー(オーダーメイド)に寄った現場です。かたや婦人もののブラウス工場などはメンズシャツと生産手順が逆になる事も多く、服として同じ様に見えてもだいぶ作る勝手が違う為、廉価量産品ではないカジュアルなメンズシャツを得意とする現場がそう簡単にありません。









前述のA工場で作ったサンプル(Garage.U.Wの商品)を他の工場に持ち込んでも、「うちは下請けでやってるから」とか「技術的にこのレベルでの仕上げはうちの方では難しい」と断られる事が多く、改めていつものA工場による技術の恩恵を再認識する中、ようやく「できますよ」と製品を見るなり2つ返事を頂いたB工場という良い生産背景に巡り合う事が出来ました。



その裏付けとして、B工場は裁断から縫製まで製品作りにおけるワンストップの設備があり、冒頭画像のボタンホールミシンだけでも専業出来る程の設備。製品作りにおいては長い歴史があり、確固たるブランドのほぼ専業業態にあることで確実に国内モードを牽引していたであろう最盛期のお話を聞かせて頂きました。良いものしか作っていない環境と膨大な生産数で培われた技術を持つ工場だったのです。







DURKOPP/デュルコップ 工業用 ハトメミシン 558型



整備の行き届いた旧式の名機が現役で稼働しています。
最新機器の精度ももちろん素晴らしいのですが、大量生産を目的としない私共にとっては、道具として手に馴染んだ機械を工夫して、使いこなして作るウェアのステッチ一つ一つに魅力と期待を感じます。失われつつある貴重な技術です。

現に稼働中の案件は3枚袖のように手間や生産効率の事はあまり意識していないようなものを手掛けておりました。工場なので生産効率は求めて行くべきかも知れませんが、実直な姿勢が利他的に着る人の感動や満足を作り続けて来た結果に結び付き今があるのだろうな、と自分はそこから学ばせて頂きました。

既に新作カッタウエイシャツの制作に取り掛かっておりますので、完成次第お知らせさせて頂きます。









Garage(ガレージ)

〒350-0043
埼玉県 川越市 新富町 2-7-2 
11:30am~20:00pm (水曜日定休)
電話 049-224-9200
URL: http://www.inthegarage.jp
E-Mail: info@inthegarage.jp