2015/12/17

エピソード・オブ・ Garage.U.W







日頃考えている事が最近、輪のようにつながった感触がございまして、唐突ですが長文を失礼させて頂きます・・・・。



ガラパゴス諸島やキリマンジャロ山頂などの独自の環境による独自の生態系があるように、Garageも独自の概念による独自のシェアがございます。

PCでブログをご覧頂いてくださっている方は「人気の投稿」というガジェットが追加されたのをお気付きかと存じます。過去1カ月の記事別アクセスランキングが自動で表示されるようなのですが、そこでのGarageオリジナルウェアの注目度はまさに一般の常識を覆すものになっております。

ブログ歴代一位はオールラウンダートラウザースですが、ここ1カ月はゴルカジャケットのアクセスの多さが目立ちます。






5年ほど前、オリジナルウエアの生産に着手すべく生産工場を探して奔走していた頃の話。

当時はメイドインジャパンのオリジナルシューズ[ Shoegaze ]の取り組みを発端に、同等品質のオリジナルウェアも考えるようになりました。

やろうとしていた事は廉価量産ではなく、逆の発想でGarageにしかない高品質⇔低価格なスタンダードを作る事。何はともあれお客さまに向けそういうものを提供したいという想いが発端でしたが、それには直接工場と関わってゆく必要があり、それは余りにも問題が山積みでした。

デザイン企画、パターンの制作、生地の手配、ボタン、ファスナー、品質タグ等の手配は具体的にどうするのか。縫製工場の大きなミニマムロット、それで継続性を見込めるか。そもそも良いものを作るというは名だたるブランド製品を(逸品を)手掛けるような工場で作るという事で、一介の小さなショップのオリジナルなどを請け負ってけてくれるのか?というようなハードルだらけのスタートでした。






今や日本製のウエアは非常に希少な物になり、国内に流通する製品の97%はアジア諸国及び諸外国で作られております。ほとんどのご家庭のクローゼットの中はその状況になっているという事なのでしょうか。

しかし、ものつくりの日本。逆に考えれば廉価コスト競争に巻き込まれず、高い要求のクライアントを相手にこだわった製品を手掛け、3%の中に残って操業していられるのは選ばれた工場とも言えます。全国つづうらうらまさにメイドインジャパンを体現した世界的なブランドの製品を作る縫製工場や生地工場は存在します。

そしてGarageの行動範囲の北関東地方にもそういった工場が存在します。






「地元に世界的なメイドインジャパン製品を作っている環境がある。しかし、その製品は地元では売られていない。」

例えば食品などの特産地は特産物、直売により地元に恩恵がある場合が多いですが、洋服に限っては我が地元で売っている物はアジアで作られた大量生産品ばかりで、せっかくの地元生産の逸品は私たちの頭上を飛び越え、首都圏やヨーロッパ各国へ行ってしまう。

それを知っていた事がオリジナルを作ることの意味の何よりのモチベーションになっておりました。当然同じものは作れないし、パリに行った時カウンタックがその店の前に止まっていて入れなかった思い出があるような、分不相応なプレステージブランドは憧れますがGarageスタッフも普段着れません。しかし、作りたいものはGarageにしかない高品質⇔低価格。同じ場所で作ったものはいわゆるファクトリーブランド品質。そのくらいの優位性が商品に含まれていなければ、ショップ発信のスタンダードウェアなど必要とされないであろうという事は考えておりました。





只今Garageでポップアップショップ開催中。ものつくりの現場であるファクトリーからのアプローチを主とするYAAH(ヤア)

その工場の所在地は埼玉県熊谷市。私の地元であり、なんと5年前に私が最初に訪れた工場だったのです。

工場オーナー様は未熟者の私に対して親切に対応して頂いた記憶がございます。当時はパターンも生地もまだ用意出来ず、その後は現在最もお世話になっている縫製工場などとの出会いが順次あり、最初に訪れたそこでは結局製品を作れずじまいでございます。

その後、現在はYAAHを運営する(株)ブロウズさんがそこを引き継いだということになりますが、私もずっと気に掛かっておりましたので只今開催中のポップアップショップでそこで作られた製品に再び関われる事になり大変嬉しく思っております。

(株)ブロウズさんは日本を代表するブランド製品やイタリアの著名なブランドなども手掛けています。











その後、数々の工場を訪れた中で様々な出会いがあり、現在最もGarage製品を作ってくださっているメイン工場との出会いはGarageにとって正に生業のターニングポイントであります。10企画ほど経過した頃、パリに行った時カウンタックがその店の前に止まっていて入れなかった思い出があるブランドの製品を作っているのを偶然見かけた時は言葉がありませんでした。

上のブルゾンはそんな工場と、上の記事にあるメゾン御用達という生地屋さんの生地を使用したアイテムです。個人的に最も感慨深いアイテムでした。この取り組みを機にこの工場と生地屋さんの交流も始まりました。











また別の環境で、この週末にも入荷予定のハニカムサーマルロングスリーブはスポーツウェアなどのハイテク生地の縫製が得意な工場で制作中でございます。この工場は数年前まで私が住んでいた町内にあり、懐かしく非常に馴染みのある場所にございます。ローカルと言っても本当に身近にあります。当時はまさか仕事で関わるとは思ってもおりませんでした。






パターン、生地、付属手配、裁断、縫製、穴カガリ、タグ制作、加工、アイロン仕上げ、検針。基本的にそれぞれ個別の業者が関わります。服は本当に多くのプロセスを経て具現化されます。思い描くイメージ通りの製品化は本当に大変と実感致しますので、素晴らしいコレクションを何10型も展開しているブランドなどのセンスや技術には敬服致します。

Garageに出来る事は少ないですがこういった環境を生かし、Garageにしか出来ない事をこれからも模索しチャレンジして行こうと考えております。

世間一般では抜群にマイノリティーなGarageオリジナルウェアでございますが、希少とはいえ流石に一流の工場が稼働してくれるレベルの生産数になります。その数はセレクトしたアイテム在庫の数倍~数十倍になりますので、ブログ1記事で流れてしまうには余りにも重い為、何度もブログに登場させてしまいますが、それでもその度ブログ記事のアクセスが多い現状はGarageのモチベーションないしは製品の品質向上に直結する原動力となっております。何より価値観を共有してくださるすばらしい方々への尊敬と感謝の気持ちを原資にしたこの「独自の生態系の保護、維持」に全力を尽くしGarageにしかない高品質⇔低価格で皆さまの心に響くものを作って行く努力をして行こうと考えております。

何の節目でもありませんが、長文になってしまいました。お読み頂きまして誠に有難うございました。











Garage(ガレージ)

〒350-0043
埼玉県 川越市 新富町 2-7-2 
11:30am~20:00pm (水曜定休)
電話 049-224-9200